夏は終わりぬ

なんだかめっきり涼しくなると はしゃぎまわっていた夏が
ぬけがらみたいに木にぶら下がる 夜は冷えるから風邪ひかないように
楽しいことばっかりないさ 笑ってられるくらいの毎日が終わり
半袖でいられなくなった僕らは そろそろ重ね着に悩んだりする
笑ってばっかりいた夏を あっという間の短いあの夏を
遠く遠く空に浮かぶ夏を ヒマワリに埋もれた夏を

花火がふたりを照らしたりする 風がふたりを吹き飛ばす
小さな胸を腕にからませる そっと耳たぶに咲く花が揺れる
君のこと忘れちゃいないさ その髪も上目づかいの生意気な視線も
うろたえる僕を無邪気に笑う声も 手のひらを湿らせる汗の色も
何も変わらない毎日が 君のことを洗い流してくれる
空に真夏の夕暮れの雨 ヒマワリがうなだれて揺れてた

楽しいことばっかりないさ 笑ってられるくらいの毎日は終わり
半袖でいられなくなった僕らは そろそろ重ね着に悩んだりする

洗った髪束ねる君の首すじに夏の匂いが残る
僕ひとり頬杖ついて眠る

笑ってばっかりいた夏を あっという間の夏を
遠く遠く空に浮かぶ夏を ヒマワリに埋もれて咲く夏を
笑ってばっかりいた夏を
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