ふるさと

故郷だと呼べるほど 離れてはいないけれど
ただいまと言えるこの場所で 僕は生まれ育ったんだ
欲しいものはいつだって 空高く雲の上
遠く遠く 眺めてたんだ

変わらない味噌汁の味 オヤジはタバコ軽くした
遊んでいた原っぱも 今じゃコイン駐車場
柱に残された幾つもの鉛筆の跡
思い出が色づき始める

小さな籠の中から 見えない明日へ飛び出した
ガムシャラに駆け抜けた日々 いつも夢見てた

風に吹かれて あの歌口ずさんだ
あの日の僕が 今もここにいる
相も変わらずに 僕は大きな空見上げた
忘れることはないよ 心のふるさと

あれっきりの再会の 大好きだったあの娘も
ランドセル背負う少年と 並んで歩くベビーカー
あの頃よりも少しだけ 優しく温かい笑顔
うまく話し掛けられなくて

手を繋いで歩いた道も 今はもう車から眺める景色
疑いもなく信じていた 幼い約束を

時は流れて 思い描いた未来が
今の自分と たとえ違っても
心が決めた“その一歩”に 間違いなんてないんだよ
忘れないでいたいよ まっすぐな想いを

ずっと見てた この空が 狭くなってくんだ
捨てなくちゃいけないの? でも失くせないモノがある

風に吹かれて あの歌口ずさんだ
あの日の僕が 今もここにいる
相も変わらずに 僕は歌い続けるよ
忘れることはないよ 心のふるさと
忘れないよ 心のふるさと
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