都鳥

いつしか雨が雪にかわって
波音だけの東京ベイに
愛のために命を賭けた 一羽の鳥 哀しいかもめ
寒いこころと翼震わせ 煤(すす)けた空をさまよう
わたしユラユラユラ ユラゆりかもめ
独(ひと)りぼっちで飛ぶ ユラゆりかもめ
あなた何処にいるの どうしてなの 愛したのは何故
こんな悲しみ置き去りに
汽笛をかき消すように 海が泣いた

足もと洗う波の飛沫(しぶき)が
鉛色した海に還るわ
絶え間なしに風の悲鳴が あなたを 呼ぶ声を散らした
重いこころと翼濡らして 暗い波間を漂う
わたしユラユラユラ ユラゆりかもめ
愛にはぐれたまま ユラゆりかもめ
あなた何処にいるの どうしてなの 愛したのは何故
こんな悲しみ置き去りに
都会の明かり映して 海が泣いた

わたしユラユラユラ ユラゆりかもめ
独りぼっちで飛ぶ ユラゆりかもめ
あなた何処にいるの どうしてなの 愛したのは何故
こんな悲しみ置き去りに
汽笛をかき消すように 海が泣いた
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