花影の母

妻という名を 捨てても恋に
生きてゆきたい 人だった
こんな母さん 許しておくれ
棘(とげ)をさすよな 世間の目より
純なこの子の 純なこの子の 目が怖い

誰れの力も 借りずにこの子
育てますわと 云ったけど
可愛いそうなは 片親育ち
ただの一度も 父(とう)さんの手に
抱いてもらえず 抱いてもらえず 寂しかろ

沈む夕陽を 追いかけるよな
恋にひとすじ 燃え尽きた
これでいいのか 間違いなのか
きっとこの子も わかってくれる
女ごころと 女ごころと 母ごころ
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