雪よされ

冬の下北 まんじゅう笠に
吹雪(ゆき)が舞い飛ぶ 頬を打つ
よされよされは おんなの祈り
あんた恋しと 爪弾(つまび)く三味(しゃみ)が
白い荒野で 咽(むせ)び泣く

ハァー三味は抱けても あのひとを
抱けぬこころの 寂しさを
唄にぶつける よされ節

闇の向こうに 海鳴り聴けば
いのち震える 竜飛崎(たっぴざき)
よされよされは こころの祈り
捨てた故郷が 両親(ふたおや)さまが
まぶた閉じれば 夢にでる

岩木おろしに 凍(こご)える夜は
撥(ばち)を素肌に 抱いて寝る
よされよされは おんなの祈り
晴れてあんたと 一緒に暮らす
遅い津軽の 春を待つ
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