雪の降らない街

最後の景色は 白く埋もれた小さなホーム
遠ざかる君

がんばってこいよと手を振る姿
こころの片隅 無理矢理に押しやって

線路の向こう見ていた 新しい日々

雪の降らないこの街で 君を思い出すのはとても難しい
ヒカリとコドクに呑み込まれぬように
ひたすら 私は胸をはった

イルミネーションと背伸びの服に
弱音をそっと忍ばせ歩くよ

浮かれた雑踏 溢れるメロディー
慣れた足取りで 仲間の輪追いかける

滲んだ未来を それでも夢見てる日々

雪は今年もあの街に 君の街に降ってますか?
こみ上げてくる涙にとまどい
抱きしめていたのは 君じゃない 別のにおい ぬくもり

いつか雪が 白くこの街を染めたら やっと素直に泣けるのだろうか

雪の降らないこの街で 君を思い出すのはとても怖かった
ずっと振れなかったこの手を 冬空にかざすよ

私は胸をはってゆく

最後に見たあの景色を 道しるべに
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