瓦礫の終音

「どうして選ばれたのか?」
そんな問いに意味など ないと識っても
心痛は消えることなく 時計の針は廻る...

「この世界には、不死なる5人の魔女がいる。
それぞれが異なる神に見出され、人から成りし存在。
神を信仰する人々はその力に畏怖し、崇めた」

「蒼白の果てで紡がれる、心優しい少年と一人の魔女の物語」

褪せた日々は淀み 怠惰に溺れる
血塗られた月夜は穢れ 無垢な衝動、翳して

変わらぬ忠誠 誓いし下僕たる少女(Servant) シルエラ
すべてを委ねた偏愛は永遠に 虚構を壊す

「どうして選ばれたのか?」
そんな問いに意味など ないと識っても
心痛は消えることなく 残されたのはただ魔力だけ

遠い過去の約束 まだ人間だったあの日
未来を誓った 夕暮れ(Abend)
ah...幼い恋 叶うことなくて――――

「あたしがまだ人だった頃、小さな恋をしていた。
でも、あたしはもう――――!
手荒になってもいい。あいつをここから遠ざけて」

「お望みのままに」

昏い悦楽にも 精神を傾け
狂おしいほど愚かで 無慈悲な魔女、演じた
不老に近い 存在を(Sein) 愛し焦がれた シルエラ

近づく信奉者すべてを排し 独占し続ける

いつか選ばれたのが
必然であるような 錯角に酔う
消えゆく感情 確かに
あんなに傍にあったはずなのに......

姿だけは変わらずとも 変わり果て血に濡れた
「もう、あの頃のあたしなんかじゃない......!」

「お前が主を惑わせる。消えてなくなれ!」

「どうしてここまで来たの......?」
変わらぬその瞳が ただ眩しくて
哀れな自らを晒すのは 決して赦されない
ここにいるのは“魔女”だけだから

「魔女に偏愛を抱く少女は命令を自らに都合よく捻じ曲げ、
少年の命をも狙う」

「嫉妬... 狂気... 殺意...」

「負の感情の羅列は、死という結果のみを追い求めていた。
声の... 音の... 歌の連なりは、彼らを翻弄するように空へ
と溶けて......」

「音が聞こえる。 これは、世界が軋む音――――」
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