華(hae・ne)

花弁を浮かべて 呼吸を止めて
浴槽には 音も届かない

過ぎ去った現実 涙と共に
沈めてゆく 泡の中へ

さよならは揺らめき 水彩の果てへ
月が眠る夜は星も無くて
夢の華散るなら 未来に添えよう
蕾のままでいい 咲く事願うなら

蝶が舞う蜃気楼 秘密を抱いて
霧のような遠い約束

昨日と明日と 不確かな今
君の元へ 回れメリーゴーランド

届かない想いは 便箋と共に
いつか届く筈さ 言い聞かせて
震えてた唇 言葉を伝えて
確かなもの一つ 愛しい記憶だけ

鮮やかな季節が 彩りを添える
光射す方まで 駆け抜けて
言葉に出来ない 想いがあるなら
歌を奏で贈ろう 心を咲かせて
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