はまゆう哀花

人目ふれずに 咲き誇る
咲いて哀(かな)しい 花の群れ
あなたと重ねた おもいでを
砂にうずめに 来たけれど
海が私を 私を泣かす
うしろ髪ひく はまゆうの花

憎い人でも 断ち切れず
忘れられない 意気地なし
夏かと思えば 足早に
秋が背中を なでていく
風が私を 私をゆする
あなた恋しい はまゆうの花

二百十日(にひゃくとおか)に 色づいた
ゆれて寂しい 白い花
一から出直す つもりでも
募る未練が 邪魔をする
波が私を 私を責める
ついて行きたい はまゆうの花
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