花火

夏が来ればまた君を想い出す灼けたアスファルトタ暮れの夕立
寄せては返す波の音のように永遠に続くような八月

フェンスを乗り越えて二人だけのグランドが僕らの特等席

空に舞い上がる花火を見上げた君のその横顔が子供みたいだった
「眺めがいいね」小高いピッチャーマウンドで
時があのまま止まればよかった

波打ち際で君が話してくれたのは僕がまだ知らない頃の君だった
「もう時間だね」って走り出した君その後ろ姿 何故か切なくて

人込みをかきわけ離れてしまわないようにその手を握った

最後の大きな花火を終わった後もしばらくそこで寄り添いあったまま
風に流れる煙を眺めていたね 何処へいったの?煙も君も
空に舞い上がる花火を見上げた君のその横顔が子供みたいだった
「眺めがいいね」小高いピッチャーマウンドで
時があのまま止まればよかった
×