ふたつのおと

鍵盤に弄ばれる指
悲しみだけじゃ 何もうまれないのはわかった
そしたら何が要る?
探してたふたつの音が君を見た途端あって
名無しが動けなくなって
今さら迷うくらいなら

「ラ」と「ミ」響くよ 君と舞うメロディーが
つかもうとして手を差し伸べるでしょ? 取れないよ
それに昼下がり 惑わされ もう溶けて無いよ
それでもひとつは僕さ そう思い込んで 弾きこんで 手に馴染むよ
若しくはそれさえ思い過ごしの末

君との日々 ともかく縋ってたのかも
手にいれたつもりで そうさ いつか弾かなくもなって
弾きかたでさえ忘れちゃって
今さら必要じゃないんじゃない

「ラ」と「ミ」って書くよ 君と僕のメロディーさ
ふたつの音じゃ足らないって思うでしょ? 足していくよ
そして夜更け過ぎ 少しなら音だせるよ
君が「そういうことじゃない」って顔してんの気付いてた
どうしてなんだろう

さっき見たよ もう一度だけ弾けた時 君の色
そう あのふたつの音は君のもの

let me hear you say the word みっつめのメロディーで
君はもう消えてここにはいないけど 溶けないよう僕に戻るよ
「さよなら」は短三度のなか いつかひとりでみつけるまで
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