夢二の女

燃えて火のよに なれたらいいと
恋に息づく おんながひとり
醒(さ)めてしまえば 夢になる
今をあなたと 焦(こ)がしたい
ああ……たまき愛しや 夢二の女

恋のためなら 昨日も今日も
みんな捨てます あなたのために
愛と言う字の 陰になり
生命(いのち)みじかく 耐えたひと
ああ……彦乃かなしや 夢二の女

抱いた背中で 崩れる帯の
花にひとひら 舞う蝶よ
愛のさすらい 何処までも
ゆくえ知らない 恋の果て
ああ……お葉(よう)恋しや 夢二の女
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