ファンタジア

無口に流れる
まどろんだ街
ラジオからララバイ
にじむ街路樹

吹き消せばほのお
ほのかに残す
不機嫌そうな面影
不思議さ
どうして
こころ
離れない

きみに恋をした影は
光になる
凍えた街は
極彩の塗り絵に変わる
夜明けのファンタジア

きみに恋をした星座は
雪に変わる
いますべての哀しみ達
静かに 昨日へ帰る

行き場をなくした
言葉の意味も
目覚めをなくした
眠りの森も

封じ込める魔法
ホッチキスのよう
振り向いたその面影
不思議さ
どうして
こころ
離れない

きみに恋をしたクラクション
歌に変わる
虫達さえも
オニキスの黒に輝く
夜明けのファンタジア

きみに恋をした僕は
少しくるう
いま目に映るなにもかも
生まれたばかりの世界

ファンタジア…

きみに恋をした影が
光になる
凍えた街は
極彩の揺れる塗り絵と変わる
鮮やかに

きみに恋をした星座が
雪に変わる
いますべての哀しみ達
静かに 昨日へ帰る

そしていま
きみに恋をした僕は
優しくなる
いま目に映るなにもかも
甘く淡い夜明けの
ファンタジアさ
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