I Wish

路地に夕焼けがころがる街 部屋をみつけ
さびた標識の上 オリオンだけ きらめいてた

ひざをよせあっては 小猫のようにまるくなって
夢を話したり たしかなもの探していた

軒先の水たまりにうつる月も
寒い朝も遅刻しないででかけるきみも
3日つづきのカレーも好きだった
恐れるもの何もなかった
世界中の誰よりキミを
理解したいと思ってた

きみが飛び出した夜 冷たい雨 木々をぬらし
あの日新聞から 昭和という文字が消えた

あれから元気ですか すこし時がながれたよね
ひもが切れた靴は 秋の海の砂だらけ

静かにひとひら 粉雪が舞い降りてきて
線路わき 陽だまり コスモスが揺れてたあの部屋も
白一色に覆われてゆく はじめてきみとめざめた日の
真新しい朝のようで涙がとまらない

ねえ もしかしたら 明日きみにあえないかな
きみにあえるのなら このままだめになってもいい

この星のすみでひとりのぼく 生まれてきて
ひとりのきみに出会い寄り添うようにふたりになった

路地に夕焼けが ころがる街 部屋をみつけ
さびた標識の上 オリオンだけ きらめいてた

これからどんなふうに生きていいのかわからない
風よ きみのそばへ今すぐぼくを連れて行って
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