奥三河の女

湯谷の湯けむり 灯りに溶けりゃ
泣いて誰れ呼ぶ 仏法僧(ぶっぽうそう)よ
あなた恋しい 日暮れの宿は
ひとり手酌で 飲む酒に
夢も酔ってる 奥三河の女

笛に浮かれて 赤鬼が舞い
篝火(かがりび)ゆれてる 花祭り
あなた恋しい 凍える夜は
うわさ話に 忍び泣く
夢が悲しい 奥三河の女

船の舳先が しぶきに濡れて
天竜下りの 笠が行く
あなた恋しい 湖畔にすてた
愛がいまでも 消えないで
夢を追ってる 奥三河の女
×