いで湯炎歌

小雪の駅で 待ちあって
人眼を逃れ 旅をする
これでいいの 後で別れて
泣いてもいいの
女房きどりで いで湯の里の
夢に濡れたい 私です

あなたに着せる 湯上りの
羽織(はおり)につつむ 想いやり
これでいいの 後で別れて
泣いてもいいの
明日(あす)はいらない 今夜がほしい
生きて添えない 二人です

崩れるように 身をまかせ
重ねるいのち 恋まくら
これでいいの 後で別れて
泣いてもいいの
ままにならない この世に生まれ
燃えて傷つく さだめです
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