群青海月

銀色の上皿天秤にかけた希望と不安
薄汚れた打算 水面に映る月を隠した

透き通る体は次第に奪われて
身動きとれずに落ちてく

置き去りにされたまま浮かぶ群青海月が泣いた
「僕はなんで生まれたのかなぁ」
「思い出して」と今日もゆらゆら揺れてる
忘却の海で朽ち果てるまで

キラキラと鱗舞う地平線辿る海賊船
夢追う航海は現実の海原に沈む

色褪せた唯一の武勇伝抱えて
まるで僕だけが石のよう

光閉ざされた頭上で群青海月を抱いた
「もうあの頃には戻れない…」
メデューサの瞳が旅の終わり見定めて
幼き月も石に変えた

嵐の日々を綴った冒険の書を一枚ずつ破り捨てた
メデューサの瞳が旅の終わり見定めて
幼き月は落とされた

取り残された群青海月が泣いた
「僕はなんで生まれたのかなぁ」
一人残されて群青海月が死んだ
「さよなら…ありがとう…」を残して

まるで群青色の空を漂う月のよう
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