夜のレクエルド

それでもあなたと夜に歩きたい
月の光を蹴散らして
つかの間の刻はくだけ散り
もう何も見えないから
どうしてもあなたとずーっと歩きたい
細く屋根のとがる街
それは誰かのいたずら
淡くオーロラ巡る夜
それも夜のまやかし
だけれども本当だよ
もうこんな夜には
あなたを好きだと
わかるばかりだから

それでもあなたと夜に歩きたい
月の光を蹴散らして
ものほしげな風は吹きすさび
もう何も言えないけど
どこまでもあなたと夜を歩きたい
高くケーブルカーの昇る街
それも誰かのいたずら
遠くホトトギスの叫ぶ夜
それも夜のみせかけ

だけれどももし本当にそうなら
どんなにあなたを待ちこがれても
ただやみくもに月の夜を
歩くばかりだから

夜は沈み 月は昇り 星は砕け

そしてもう何も
そしてもう何も
そしてもう何も

もう何もかにも見えない
ああ ああ あなたさえ

もう何もかにも見えないよ
ああ あなたさえ
ああ あなたさえ
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