掴めないもの

もしも私が終わるその時
愛する人が手を握ってくれたらいい

この手の中に掴めるものは
確かなものなどないのかもしれない
かき集めた宝物
数え終えれば ただそれだけのこと

もしも私が終わるその時
愛する人が手を握ってくれたらいい
少しだけ泣いてくれたら それでいい

この目の中に映ってるものは
変わらぬものなどないのかもしれない
まるでここは無常の世界
けれど 決して嘆くこともない

もしもあなたが終わるその時
あなたを想う人がいればいい
もう一度会いたいと言ってくれたらいい

生きた証など計れるものじゃない
心の中まで 計れるはずもない
何か残るの? 何を残したい?

もしも私が終わるその前に
愛する人の笑顔を 喜びを
できるだけたくさん見られたら それでいい

この手の中に掴めぬものこそ
確かなものだと言えるのかもしれない
この目の中に映らぬものこそ
大事なものだと言えるのかもしれない
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