雪国

倖(しあわ)せをあきらめた 恋ゆえに
旅する仕度(したく)の あなたに泣ける
女のみれんが 雪になり
つれて行ってと 肩に舞う
赤い涙が散る散る
湯の町椿(つばき)

ふれればとけてゆく 雪の花
とけない心が あなたにすがる
あなたは妻ある 人なのに
もえて抱かれて 身をせめる
風のつめたさぬくもり
雪国椿

このままで別れたら はかなくて
一冬越せない あなたの胸で
思い出一つで 生きるには
せめて欲しいの もう一夜(ひとよ)
雪よあなたに降れ降れ
湯の町椿
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