宝のとき

浜の白百合 咲き急いで
寄せる波音 きこえないほどに
大人になると 気づかぬうちに
いつしか島を 去る日が来る

海よ そよ風よ
おしえてほしいの
僕はずっとこの島にいられないの

そして僕は 大人になり
途方に暮れる 時間さえなくて
この青空を 忘れはしない
この島にいた 宝のときを

海よ そよ風よ
この島の空を
やがて遠い国から見続けるだろう

遠くに消え行く我(ば)が生(ん)まり島(ずま)
涙が頬をつたって落ちる
風に揺れるさとうきびの原
ずっと変わらずにいて

海よ 大空よ
僕を忘れないで
ちっぽけな僕だけど
この島にいたんだ

海よ そよ風よ
想いを届けて
僕はいつかきっとこの島に戻るよ
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