百恋歌

これが恋だと知りました 川を流れる花でした
追いかけても手が届かない 薄紅の花でした

彩なす空 走る夕立ち 遠ざかる蝉時雨
人は誰も振り返るまで 時の流れに気づかない

泣いて泣いて 泣くだけ泣いて
見上げる星空は万華鏡
いつかあなたに届くように
歌う 百恋歌

それが愛だと知りました 夜空に浮かぶ月でした
背伸びしても手を伸ばしても 届かない月でした

迷い桜 はぐれた燕 追いかける影法師
人は誰も目を覚ますまで それが夢だと気づかない

春は野を駆ける風になり
夏は蒼く萌える海になり
いつかあなたの腕の中で
歌う 百恋歌

泣いて泣いて 泣くだけ泣いて
見上げる星空は万華鏡
いつかあなたに届くように
歌う 百恋歌

秋は七色に身を染めて
冬は春を探す鳥になり
いつかあなたの腕の中で
歌う 百恋歌

泣いて泣いて 泣くだけ泣いて
見上げる星空は万華鏡
いつかあなたに届くように
歌う 百恋歌
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