蛍火

蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
むきだしの僕のヒカリ “君の一部になろう”

するり 生ぬるい風が夏に終わりを告げる
カランコロン 鳴らして向かうは 思い出のあの場所
ずっと胸にふたをして触れぬようにしていた
君のまぶしい面影が まぶたに黄泉がえる

真っ赤に染まった浴衣を身にまとって
今夜だけでもその目にうつりたい

蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
もう一度戻れるなら あの頃の笑顔で
優しく抱きしめて

二人並んでしゃがんだ 線香花火を持って
すぐに消えてしまうから ちゃんと見つめていた

人はどうして忘れてしまうのかな?
愛したことも愛されたことさえも

蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
むきだしの僕のヒカリ 夜の闇に消えた
“君の一部になろう”

あんなに好きになったのは 今も特別な君だから
この先違う誰かと出逢って 愛してく意味をまた覚えていっても

思い出ぽろぽろ 伝い 涙になって流れてくる
戻らない時を背負い 人は生きてゆくよ

蛍火の空の下で 会えない君に会おうとした
もう二度と振り向かない あの頃の笑顔を
この手に 抱きしめて
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