砂の器

失うものなどないくせに ビビッてすかして 煮えきらないから
君の影も砂の中に隠してしまったよ

ねえ あの海で 目にした朝焼け 君は憶えているかな
ああ とてもきれいねって 僕はなにも感じなかったんだ
全てに 疲れていたんだね

きっと僕の両手は砂にまみれて 汚れていってしまうけど
迷って もがいて 向き合って
悔やまぬ日々を欲しがり続けるだろう

何時しか 時は経ち 光と影
常識はずれの言葉をまぜて
強がる 僕を褒めることも 無くなってしまったよね

ああ 波の様にすれ違いながら
近づけずにいること 気付いていたんだよ
行ったり来たりを繰り返し
不安と戦っていたんだよ

いつか 僕が 振り返った街の中 たとえ君がいなくても
迷って もがいて 向き合って 過ぎ去った時間(とき)を
探し続けるだろう

いつか僕の両手が灰になって
汚れたって 未来を
奪って 壊して 失っても
なんどだって 立ち上がり続けるだろう
そして 僕は今日を生きていく
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