キャッチボール

落ち葉をしいた広場で 5メートルの距離で二人
ダッフルコート着たまま 始めたキャッチボール
最初はなかなか うまく投げられずに
捕ることもできず あわててばかりだけど楽しいね
白い息吐いて 澄みきった空に投げるボール 見つめながら

あなたをもっと愛したいと思った
もっと愛されたいと強く願った
二人が投げたボールに込めたのは
育て始めようとした小さな愛
いつまでもそのボールを見失わないように
本当の自分と始めた心のキャッチボール

空が曇ってきて 雪がちらついてきて
それでも続けようとしていたキャッチボール
冷たい雪の白は やがて降り積もって
心の中のボール溶かした

あなたをもっと愛したいと思った
もっと愛されたいと強く願った
あなたばかり見て捕ろうとしなかった
ボールばかり見過ぎて見えなくなった
あなたが宙に投げたあのボールは
雪の空に消えて追えなかった

落ち葉まじりの雪に埋もれて動けない
置き忘れたままの二つのグローブ

忘れようとしてた涙の記憶
忘れられないままの愛の記憶
あの日二人で投げ合ったボールは
この東京の空に浮かんだまま
本当の自分とのキャッチボールは
少しづつだけど続くようになったよ
心の中終わらないキャッチボールは
あの冬の日にあなたと始めたまま
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