EXPRESS 168

今日が最後の朝 いつも通りの鳥がないている
見慣れた古いバス停 時刻表もかすんで見えなくて ただ

いつもと違うのは 今日は EXPRESS168 いつもより遠くへ

誰にも言わずに 言えずに乗るバスはきっといつもと違うだろう

さっき買ったラテも この寒さじゃすぐに冷めるだろう
いつものゴミ箱から ハミ出した天気予報欄ながめてる

かじかんだ手で ぬくもりを探す コートのポケットのレシート

あの時 言い出そうと電話した寒い夜が 感熱紙に写ってる
今では これくらいの これくらいの思い出しかないけど
もうバスの中

灰色の空と灰色のコンクリートの間に
産まれた理由を探しに行くんだよ

いつもと違うのは 今日は EXPRESS168 いつもより遠くへ
誰にも言わずに 言えずに乗るバスはきっといつもと違うだろう
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