おんな傘

駅へあなたを 送りに来たが
頬にみれんの 露しずく
そつと斜めに 傾ける
なみだ隠しの おんな傘
雨はきらいな はずなのに
今日は嬉しい 宵しぐれ

好きになっては いけない人と
決めていたのは 始めだけ
逢う瀬重ねる その内に
愛に濡らした おんな傘
私ひとりが 泣けば済む
そうよあなたに 罪はない

汽車の明かりが にじんで揺れて
遠くあなたを 連れて行く
差して行きたい どこまでも
なみだ隠しの おんな傘
つらい心を 知りながら
いつか上った 宵しぐれ
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