おんな流転節

あんた追いかけ ここまで来たが
指はかじかむ 髪さえ凍る
逢いたさに…波もぐずるか 竜飛崎…
雪の岸壁 太棹聞いて
北へ流れの 船に乗る

風に怨みを 叫んでみても
乳房(むね)の火群(ほむら)は 燃えたつばかり
残り香を…抱けばせつない 霧多布…
はぐれ鴎の 舞いとぶ宿で
まくら濡らすも 女ゆえ

花は咲いても 私にゃ遠い
春という名の 終着みなと
海鳴りが…いのち揺さぶる オホーツク…
憎い 恋しい あんたが欲しい
おんな さいはて 流転節
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