娘よ

嫁に行く日が 来なけりゃいいと
おとこ親なら 誰でも思う
早いもんだね 二十才を過ぎて
今日はお前の 花嫁姿
贈る言葉は ないけれど
風邪をひかずに 達者で暮らせ

「花嫁さんが泣いたらあかん
父さんの事は心配せんでええ
きれいや 今日のお前ほんまに
きれいや なあ母さん」

夕べ娘が 酌してくれた
酒の味さえ おぼえていない
古い写真を 指さしながら
ここが父さん そっくりなのと
頬のあたりを なでながら
涙ぐんでは はしゃいでくれた

笑い話で すませるけれど
口じゃ云えない 苦労もあった
嫁に行ったら わがまゝ云わず
可愛い女房と 云われて欲しい
いつも笑顔を 忘れずに
ついて行くんだ 信じた人に
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