弥太郎笠

「や」の字育ちの 弥太郎さんに
誰がきせたか 三度笠
いいじゃないかえ 一天地六
狭い身巾の 旅がらす

惚れちゃいけない 我慢をおしな
惚れりゃ相手を つらくする
なまじ小意気に 別れたせいか
野菊見てさえ おもい出す

草は一秋 人一生の
ままよ短い この命
張るも意地なら 勝目の背(せな)に
なぜに淋しい 山の鐘
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