沓掛時次郎

すねてなったか 性分なのか
旅から旅へと 渡り鳥
浅間三筋の 煙の下にゃ
生れ故郷も あるっていうに
男 沓掛時次郎

女知らずが 女の世話を
その上 坊やの手をひけば
すまぬ すまぬと いう眼が辛い
旅だ旅だよ 許してくんな
これがおいらの せい一杯

男意地づく 生命をかけて
キリリと結んだ 三度笠
義理はすんだが 泣かずに来たが
またも今日から 行先ゃ知れぬ
旅の合羽を 風が吹く
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