高山本線

故郷なんか 捨てたはずなのに
恋をして傷ついて 乗っていました この汽車に
高山本線 八尾まで
あなたの言葉を 思いだす
不幸になったら 許さない…
旅人のふりすれば
ひゅるひゅるると 風が泣きます

ひと駅ごとに 秋は深くなり
町灯り寒々と ともる日暮れの淋しさよ
高山本線 八尾まで
出せずに終わった 恋文を
未練としりつつ 抱きしめる…
ふりむけば東京は
ひゅるひゅるると 風に消えます

待つ人ひとり 誰もいないけど
口紅をひきなおす それは女の意地かしら
高山本線 八尾まで
お酒の匂いが しみついて
いまさら逢わせる 顔もない…
夢を見たあの頃が
ひゅるひゅるると 風に舞います
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