下北半島

地吹雪に耐える寒立馬 胸を打つと
やさしい声が いまでも耳にのこる尻屋崎
涙凍らす ああ 旅なのに
ぬくもりくれます 冬の下北半島
思い出をひとつづつ もやす暖炉は
さみしいけれど…

まぼろしに逢える恐山 信じながら
迷いをだいて 今夜もひとりすがる仮の宿
誰が叩くか ああ 太棹が
やすらぎくれます 冬の下北半島
思い出をくり返す 寒いまくらは
せつないけれど…

この海峡を渡り函館で 装うはずの
衣装をそっと着けてはぬいで みれん大間崎
つらいけれども ああ 雪に埋め
明日は発ちます 冬の下北半島
思い出がまたひとつ ふえる人生は
哀しいけれど…
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