夕子の涙

小雨にけむる 宵でした
銀座は西の裏通り
肩をぬらして行く僕に
傘をだまってさしかけた
長いまつ毛の可愛い子
レモンの匂いの するような
夕子に逢った その日から
恋する僕になりました

いつも二人で 逢っていた
並木通りのレストラン
ある日夕子のその頬に
銀の涙がひかってた
なにもきかずに別れたが
あれからどこへ 行ったのか
夕子の泣いた その日から
淋しい僕になりました

飲めぬお酒も飲みました
眠れぬ夜もありました
夕子のいない あの日から
孤独な僕に なりました
なりました
なりました ah… ah…
×