竹屋の渡し

声を立てたら 世間がさわぐ
鳴いてくれるな 都鳥
二人で揺られる…
竹屋の渡し 隅田川
親の許さぬ みちゆきならば
朝を待たずに 忍び発ち

三社祭りで 袖摺り合って
いつか人目を 忍び草
逢瀬を重ねた…
竹屋の渡し 舟着場
男ごころの 情けに負けて
あの夜解かせた おんな帯

どこへ行こうと 観音様が
きっと心の 守り札
後は向くまい…
竹屋の渡し 隅田川
固い契りを 交わしたいまは
苦労するとも 二人連れ
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