讃岐の女

つよい時雨が こんぴらさんの
ながい石段 ぬらしたあの日
雨をしのいだ お茶屋の隅で
女房きどりで ぬぐってくれた
指が指が指が恋しい 瀬戸の旅
もいちど逢いたい ああ…讃岐の女よ

楽な駕籠より 手を取り合って
せめて別れの お詣りすると
わざと元気に 一段づつを
のぼる笑顔の まつ毛に見せた
涙 涙 涙 いまでも 夢に見る
もいちど逢いたい ああ…讃岐の女よ

人目気にせず こんぴら歌舞伎
いつか観たいと 甘えたけれど
無理にむすべば ちぎれてしまう
つらい運命の 縁の糸は
風に風に風にふかれる くもの糸
もいちど逢いたい ああ…讃岐の女よ
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