南国の花

誰も知らない南の果てに
流れ流れて咲く恋の花
女に生まれた 短かいいのち
知っておくれか 窓打つ雨よ

手折っておくれと たのみはしない
嘘でも女はなさけの奴隷
どうせ散るのが 女のさだめ
咲いてあげよう やさしい人に

甘いささやき 忘れもしない
行きづりにちぎって 捨てた人
泥にまみれて ふまれて泣いて
すがるあの人いまいづこ

暗い街角足音きけば
もしやとときめく この愚かしさ
遠くはなれた南の果てに
咲いたあの日が ほんに怨めしい
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