酒がたり

あいつに心底 惚れていた
なんで別れた 意地っぱり
あんないいやつ 泣かせてばかり
ばかな男の 手酌酒
湯気の向こうに
赤提灯の 灯がにじむ

世渡り下手でも 好きなのと
腕にすがって 照れたやつ
末は一緒と こころに決めて
肩をならべて 飲んだ日が
忘れられない
男の酒の みれん味

あいつの気持ちも 汲めないで
向けた背中の バカ野郎
あんないいやつ 泣かせてばかり
星が流れる 路地裏で
俺がわるいと
つぶやく酒の 酒しずく
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