花恋慕

胸をはずませ タラップ降りる
花の永良部へ 一歩二歩
君の笑顔を 探したが
甘く香るは 花ばかり
逢いたくて 逢いたくて
忘れられない 面影を
また抱きしめる ああ 花恋慕

今も変わらぬ 昇竜洞に
あの日しのんで ひとり来た
君はいとしい ゆりの花
白いうなじが 目に残る
恋しくて 恋しくて
燃える岬の 夕やけに
未練がつのる ああ 花恋慕

島の浜辺に 千鳥が鳴いて
なぜか身にしむ 三味の音よ
君のやさしい 舞い姿
夢かうつつか 夜が更ける
せつなくて せつなくて
波にきらめく 月影に
その名を呼ぶよ ああ 花恋慕
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