恋路

俺のこの手を 離すなよ
叱る言葉が なお辛い
なぜにおまえは 親捨てて
北のはてまで ついて来た

ひとの誹りを うけるとも
二人だったら 生きられる
寒い夜汽車に 乗ったとき
強いわたしに なりました

ゆめがほろりと 泣かせたか
こぼれ落ちそな ひとしずく
俺が悪いと 言いながら
太い小指で 拭いてやる

ながい旅路の 終わる町
どこか淋しい 恋の宿
潮の香りに 起こされて
そっと寄り添う 午前二時

命ふたつを 寄せ合って
ともす灯りは 消されない
暗い波間に ひと筋の
やがて日が射す 日が登る
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