夫婦きどり

抱けばそのまま 腕の中
とけて消えそな あゝおまえ
夫婦みたいに 暮らしたい
せめて三日でもねえという
おまえに うそはつけない

爪をかむくせ その癖も
いつか忘れた あゝおまえ
買った揃いの お茶わんに
夢がさめなけりゃねえという
おまえの 顔がまぶしい

肩で甘えて ついてくる
白いうなじの あゝおまえ
襟をあわせて 寂しそに
雨になるかしらねえという
おまえの 声が泣いていた
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