浪花なさけ橋

着物には きりりと帯を締めるよに 浪花の川には
恋情(なさけ)行き交う 橋があります

“何や弱みそ”と 泣き泣き詰(なじ)り
びんた一打ち あんたの頬に
励ますつもりやったと 詫び切れず
想い出たどる 堂島川は
枯葉浮かべて 秋から冬へ
今も逢いたい 浪花の ああ 人恋天満橋

“末は いっしょに”と 嬉しさ抱いて
中之島から 水晶橋へ
互いにお初天神 手を合わす
嘘などないわ あの日のあんた
酔えば淋しい 曽根崎新地
未練捨てても 浪花の ああ 夢追う大江橋

“早う帰りや”と 鳴る澪標(みおつくし)
いつも馴染んだ 鐘の音沁みる
可愛女性(ええひと)見付けあんたも 気張ってや
小雪がちらり 土佐堀川に
うちも負けへん 涙で誓う
鳩がむれ遊(と)ぶ 浪花の ああ 春待つ淀屋橋
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