向日葵

サヨナラが そう遠くないこと
もう戻らないことも 知ってたけど
なぜ 私 笑ってるんだろう
なぜ 手を振って キミを見送るんだろう

切りすぎた前髪を
からかって逃げた裏通り
キミとよく似た向日葵が
空を見上げてた あの夏

“さみしい さみしい…”と
きしむ この胸を
きつくきつく押し込めて
今 歩いていく
忘れてしまえる?
変わっていける?
溢れだす涙
歩道をかき分けながら
キミを振り切るように

嘘つきなキミが描くシナリオ
ただ黙って ぜんぶダマされたけど
神様が下す運命は
嘘なんかより むごいんだね


降りやまぬ粉雪が
追いかけてくるキミ隠して
まだ見えないだけかも、なんて
ホントにバカだなぁ 待っている

“あいたい あいたいよ…”
さけぶ この胸を
深く深く閉じ込めて
また 歩いていく
もう偶然にも
弱い夜にも
開かないように
重い心の扉に
永遠の鍵をかけ

となりに咲いていた
優しい向日葵は
冬の空を愛せずに
萎れてしまった
めぐる面影に
どうしようもなく
溢れだす涙
歩道をかき分けながら
キミを想っている
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