さよならありがと

くちなしの実
未だ君にできもしない約束ばかり
百八つ結んだら
今年はせめて苛めないまま
えこひいきした道を折れて
猫背がちに思い出ほどく
二度とない決めごと
さよならありがと。
また少しだけ君のこと
無断で好きになったけど
指折りした夢路いとし
今でもきっと
僕、の方が

終わる夏に
つくづくただふがいなくて悔しくなった
振り返りもしないで
ことばの続きを濁した僕
言わずもがな恋の甘さ
あのとき優しくできたなら
皮肉だけど憎んで
さよならありがと。

また明日が言えなくても
きれいに笑う君がいる
指切りした日々添い星
今でもきっと
僕、の方が

今ならきっと僕の方が
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