風が吹いてた

覚えていますか あの季節を 3回巡った春夏秋冬を
不器用に何度も傷付いて 笑ってばかりのあの頃

桜の舞う朝に出会ったね こわばった声でその名前呼んだ
真新しいノートみたいに お互いを何も知らずに

あの日のわたしたちに今 そっと教えてあげたい
「隣の女の子は未来で かけがえない人になるんだよ」

若葉が萌える窓際の席 校庭の砂と汗の匂いした
あなたの顔に木漏れ日が揺れ またひとつ風が吹いてた

枯葉が散る日 屋上の隅 終わっていく恋が頬を伝ってた
わたしのことなのにおかしいね 励ますあなたが泣いてた

あの日のわたしたちに今 ちゃんと伝えてあげたい
「失ったものが大きくても 明日は必ず来るんだよ」

蕾の下 すれ違った声 謝りたくって手紙を綴った
ふたつ並んだ青いスカートに また同じ風が吹いてた

今日届いた招待状 胸がいっぱいになる
人生の記念日に立つ あなたを想った

今を懐かしむ頃また 教えてあげられるように
「あなたの歩んでく未来には素晴らしい日々が待ってる」と

覚えていますか あの季節を 晴れ渡る今日に繋がる季節を
まぶたを開け息を吸い込むと 新しい風が吹いてた
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