哀愁日本海

あてもないのに 真冬にひとり
北へ北へと 乗り継ぐ夜汽車
あなた忘れる 旅なのに
つのる辛(つら)さよ 恋しさよ
ここは最果て 珠洲岬(すずみさき)
悲しみが雪に散る 哀愁日本海

帰る港を 失くした船は
どこへ彷徨(さまよ)う 未練を乗せて
遠く離れりゃ 憎めずに
運命(さだめ)うらんで 涙ぐむ
ここは最果て 行き止まり
さよならも雪に散る 哀愁日本海

沖の漁り火 嘘でもいいの
おんな心に 灯りが欲しい
一羽はぐれた 海鳥が
明日(あす)へ飛べずに うずくまる
ここは最果て 夢の果て
命さえ雪に散る 哀愁日本海
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