シンシア

風になびく髪がそっと
鼻先をかすめ優しい匂いがした
夢と現実はいつだって
無いものねだりの背中合わせ

剝き出しの言葉だけ
(もどかしくて張り裂けそうなほど)
強く抱きしめて

“誰か”じゃなくて“君”がいい
滲んだ世界でただひとり
初めて知った こんな気持ちは
眩しすぎて戸惑うほどに

自信も意気地もないけれど
掴んだその手を離さない
心が叫んだ 好きって声が
君だけに 君だけに 聴こえるように

不意に君が笑うから
くだらない悩み全てが馬鹿みたいだ
はしゃぐ心臓が高鳴って
熱を帯びていく夏の木陰

嘘では誤魔化せない
(青くさくてほろ苦い日々を)
想い届けたい

“違う”も“似てる”も愛おしい
結んだ小指が照れくさい
約束なんて 要らないけれど
理由(わけ)もなく君を求めてる

矛盾やノイズを掻き分けて
浮かんだ笑顔を守りたい
瞬きする間も 焼きつけたいよ
いつまでも いつまでも 消えないように

“誰か”じゃなくて“君”がいい…!

“誰か”じゃなくて“君”がいい
滲んだ世界でただひとり
初めて知った こんな気持ちは
眩しすぎて戸惑うほどに

自信も意気地もないけれど
掴んだその手を離さない
心が叫んだ 好きって声が
君だけに 君だけに 聴こえるように
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