錆びた髪

枯れた樹と 日のない部屋
何もない景色 眺めるだけ
幼くて 後悔した
腐食するのを 気付かないまま

「いいよいいよ」と 聞き分けいいふり
振り返らずに 去ってくあなた
滴る雫 一瞬で凍り落ちた

錆びた髪は とかせばいい
昨日はもう選ばずに
かじかむ手と大きな手は
もう二度とはつながれないものだから

二人きり 浸った湯船
ふやける手を 笑いながら

「もっともっと」と 駄駄こねてみたり
しるし残したあなたの胸に
滴る雫 一瞬で凍り落ちた

錆びた髪は 伸びだしてる
明日だけに目をやって
葡萄色のくちびるには
暖かい手 暖かいくちびるだけ

寒い つらい 痛い 胸に
あなた気付いてた?

深い吐息 好きな匂い
もう一度も思い出さない
後悔はしてないよ
今はただ思い出の一つだから

錆びた髪は とかせばいい

かじかむ手と大きな手は
もう二度とはつながれないものだから
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