わたし

有り得ないところまで
心が 動き出す
何気ない言葉すら
ひとつひとつ この胸を奪っていく

汚れた靴 磨いても
またすぐにどうせ 泥だらけになんだ
無駄なことで 疲れるくらいなら
いっそほら さっさとさ
そんなもの仕舞っておこう

わかってはいるよ
きっと逃げてるだけだと
あなたに“わたし”は 見せたくない

有り得ないところまで
心が 動き出す
何気ない言葉すら
ひとつひとつ この胸を奪っていく

わりと上手く やれてるの
不確かなもんに 乱されたくないわ
コワレモノを 不意に預けたなら
傷付いて、傷付けて…
直る保証もないのに

わかってはいるよ
それでも止められないの
なんだか“わたし”が わたしじゃない

有り得ない音がする
心で 絶え間なく
他愛ない一秒も
深く深く この胸に刻まれていく

その意味は? その価値は?
答えようのない問いだけど
それなのになぜ それなのになぜ
何かを見つけたような 気持ちでいる

わかってはいるよ
きっと素敵なことだと
それでも“わたし”が 追い付かない

有り得ないところまで
心が 動き出す
何気ない言葉すら
ひとつひとつ この胸を奪っていく

“わたし”を 奪っていく
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