彼岸花咲いて

夢で抱かれて 目が覚めて
宿の独(ひと)り寝 夜明けがつらい
淋しがり屋の 小さな胸に
ぽつり灯りを くれた人
噂追いかけ たずねる先に
もしやあなたが いないかと
彼岸花 咲いて…秋
やせた女の 急ぎ旅
あなたなしでは 生きられないと
泣いて 泣いてわかった
彼岸花 紅く燃えて

あなたどの町 どのあたり
雨の酒場か 夜汽車の窓か
寒い躰を 寄り添い合えば
それで幸せ 感じてた
噂追いかけ 見知らぬ駅を
たどる線路は はてしなく
彼岸花 咲いて…秋
風の季節の 置手紙
遠く幸せ 祈っていると
わずか わずか一行
彼岸花 しおれないで

彼岸花 咲いて…秋
やせた女の 急ぎ旅
あなたなしでは 雪舞う冬は
いのち いのち凍える
彼岸花 紅く燃えて
×